スマホで撮った写真をその場でプリントできる画期的なデバイス「Prynt」。その共同創業者であるDavid Zhang氏の独占インタビューの後半をお送りします。 「Prynt」の初期のユーザーはティーンエイジャーや大学生、そして若い夫婦が中心になっていると言えます。若い人にはガジェットとして、パーティやいろいろな場で活用する場面が目に浮かぶと思います。若い夫婦であれば、子供の成長期に使いたいというモチベーションを感じてもらえると思います。それは、僕らが実現したかった映画『ハリー・ポッター』シリーズの“動く写真”の世界です。赤ちゃんと夫婦がにこにこと笑っている動画を再現できるのですから。 「Prynt」ユーザーは日々増えていますが、僕たちが想像もしていなかったアイデアや使い方をユーザーの皆さんがどんどん開発してくれるのは嬉しいことです。 最後に我々の夢をお話ししたいと思います。共同創業者であるClement Perrotと常々話しているのは、「全部の写真を動かしてしまえ」ということです。
彼らの夢は、写真文化をさらに進化させて「すべてを動画にしてしまう」ことだと言います。その真意について伺いました。
『ハリー・ポッター』の動く写真を実現したかった
チャーリー・ヴァイスのお客様であれば、ポラロイドを使った経験をお持ちの方も多いと思いますので、その意味でノスタルジーを感じていただけるのではないでしょうか。僕自身の体験ですが、写真を送ると母がとても喜んでくれます。デジカメのことはよくわからないけれど、フィルムで撮って紙にプリントするという固定概念があるので、やっぱり紙にして見せないとダメなんですね。ですから、そういう世代の方にも親和性が高いと思いますので、ぜひ一度手に取って使ってみて欲しいですね。
ユーザーがどんどん新しい使い方を見つけている
例えばお友達が遊びに行ったギリシアで、白い壁を背景に「Prynt」で写真を撮ったとします。その写真に対して、「自分も同じ場所に行ったよ!」という動画をインスタグラムでシェアするという使い方をされている人がいました。他にも仲間たちである曲の一部分を歌って10秒の動画にします。そのあとの部分を自分も歌って、ピクチャーインピクチャーのように、一曲の歌が流れるなんていう機能も付いています。
フランスの家庭ではクリスマスに、キャンディやクッキーを作りますが、その写真を撮って玄関口に貼っておきます。通りがかった人がその写真をスキャンすると、楽しそうにクッキーを作っているキッチンの様子を動画で見ることができる。そんなほっこりした場面をみんなでシェアすることもできるのです。
駅のポスターをすべて動画化することもできる
雑誌に載っている写真も含めて、どんどんクラウドに上げて動かしてみたい。例えば、駅の構内には広告写真を含めたたくさんのポスター写真が掲示されています。もし、この写真が動き出したらどんなに楽しいでしょう。例えば今、日本で人気ある渡辺直美さん。彼女の写真をスキャンしたら、歌って踊り出すとしたらどうでしょう。
「Prynt」はガジェット自体がIoTという位置付けとは違うものだと思っています。単なるハードウェアではなくて、写真文化というものをネットに接続して、動画にしてしまいたいのです。
今、実際に雑誌でも使いたいという引き合いも来ています。「Prynt」で撮った写真だけでなく、パソコンの画面であったり、屋外の大きなビジョンの写真を撮って動画にすることも可能です。応用範囲が広いので、静止画が全部動画になるのも、そう遠くない将来に実現できると思っています。
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David Zhang(デイヴィッド・チャン) フランス生まれ。カリフォルニア大学バークレー校、仏エコール・ポリテクニークに学ぶ。フランス空軍の士官候補生を経て、ソフトウエアエンジニアとしてのキャリアを積む。2014年にClement Perrotとともに、パリにPrynt社を創業する。
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