まったく新しい「エクストリームコミュニケーションギア」である「BONX」。スノーボードをより楽しむために開発した宮坂さんだが、多くの人に試してもらっているうちに、想像もしていなかったまったく新しい使い方も生まれていました。IoTの一つのジャンルとして、ハンズフリー会話は人間を新しい次元にも導いてくれるかもしれません。
リフトから見えるところで大きいジャンプをしたりして、頑張っちゃう気持ちってあるじゃないですか。自己承認欲求というと大げさですが・・・。ただ、自分が気持ちよくても、一緒に滑っている人の表情がわからない。でも声でつながっていたら相手の気持ちがわかるし、こちらの気持ちも伝わります。「そっちの方が楽しいよなあ」、という感じです。僕としてはテクノロジードリブンで押し付けたいわけでなく、一人で滑りたい時もあるのでそれは尊重しますが、それ以外の時はみんなでやった方が楽しいし、「BONX」でその可能性を広げたいんです。 例えば、仲間で釣りをするとします。今まで一人ひとりは孤独でしたが、ボンクスでつながれば、ある人が「釣れた!」という叫びを共有できます。アクティビティ中って意外と孤独だったんです。人間は、なんでも共有した方が楽しいんで、どんな環境でも共有したいというニーズに答えていきたいです。 釣りビジョンの話をしましたが、弊社にはドイツの釣り免許を持っているスタッフもいます。その彼曰く「釣りのために作ったんでしょ」と言われるくらい、「BONX」は釣りに向いているんです。ランナーも社内にいます。彼女の悩みは「グループでは自分のペースで走れないし、他人のペースで走ると気持ちよくない。かといって、自分のペースだと孤独になってしまう。ボンクスをつけることで、自分のペースを保ちながら、みんなで走っている感じも感じられるのすごい新しい」言っています。スノボだけではわからない体験を社内スタッフからフィードバックしてもらえるのはとてもありがたいですね。 まだ、エクストリームの場面では弱点もあります。例えば自転車の下り坂の風切り音対策。轟音になるので、音声のやりとりができない場面もあります。一番エクストリームなユーザーに使ってもらいたいので、日々改良点を探しています。「ひとり」もいいけど、「みんな」はもっと楽しい
「仕事のシーン」でも新しい可能性がある
可能性で言えば、業務のシーンにも使われると思います。このガジェットは『釣りビジョン』という釣り専門番組のスタッフにも気に入っていただいています。撮影現場でカメラマンが「BONX」を装着して、生中継でもハンズフリーですから「こっち機材が電池やばいです」とか状況を伝えられます。新宿のスタジオにいるテクニカルディレクターが、埼玉の釣り堀に指示をするなんてことも可能なわけです。それを傍で見ていた僕は我ながら「すごい便利だな、仕事の役に立っているな」と思いました。
さらに、業務の指示でつながっていながら、カメラマン同士の雑談が始まったりして、他愛のないことで笑い合っている。これはトランシーバーやインカムでは起こり得なかったコミュニケーションです。「BONX」ならばちょっと業務が楽しくなるという可能性が、他のシーンでもあると思うし、日常においてももっと広がると思うんですよ。
多士済々の社内の雰囲気が発展のみなもと
他にもツイッターとか、ネット経由のコメントを通じて勉強していますし、社員以外の導入現場の意見を聞くことを重視しています。最近の成功例だと「Yahoo!自転車競技部」があります。彼らはガチで競技に打ち込んでいるのですが、耐久レースで「BONX」を使って見事に優勝したんです。戦略的なやり取りをガジェット経由でして、「前が遅いから、別の選手の先導に乗り換えよう」とか。ピットと選手、選手間もやりとりができた結果、勝利に繋がったそうです。初めは想像もしていなかった使い方でユーザーの笑顔を見ることができて、とても嬉しかったですね。
ボンクスを動詞として使ってもらえるようになりたい
僕らの夢はgoogleみたいになることです。「ググる」という動詞が日本語になっていますよね。それは英語でも同様です。「BONX」もそうなりたくて、語感のいいネーミングをあれこれリサーチしてブランドネームとして決定したんです。「BONXしようぜ!」とか「Let’s BONX」という言葉が徐々に浸透している実感があるので、それをもっと一般化していくのが僕らの大きな夢なんです。
前編記事はこちら>>
BONX/エクストリームコミュニケーションギア BONX Grip
税込価格 ¥15,800
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